私はEMGが大好物です。
しかし強烈なキャラクターゆえに、嫌いな方が多いのも事実。
というわけで、実際に聞いた嫌いな理由をまとめました。
ちなみに一言でEMGと言っても機種が多いですが、昔からの大定番である81や85の特徴で考えています。
嫌われる特徴
どのギターに搭載しても同じ音がする
コンプレッション感が強い
ハイがキツい
電池が必要
理由①︰どのギターに搭載しても同じ音がする
これはまともに弾いたことがない人の典型的な意見です。
はっきり言って、EMGは搭載するギターによってサウンドは変わります。
私は過去、Schecter Hellraiser, Gibson Flying V, Silvertone PS-SN5と言ったギターでEMGを聞き比べていますが、そのサウンドは異なります。
特にシルバートーンは中古で買ったKISSのポールスタンレーモデル。
クラッシュドミラーのボディトップに、ナトー材を使用したボディとネック、さらにややハイ起きしており、満足のいくセッティングにはできない個体でした。
結果EMGを載せても、芯が足りず、厚みがなく、バンドの中に埋もれてしまう残念なサウンドにしかなりませんでした。
理由②:コンプレッション感が強い
これはもうその通りです、すみませんって感じです。
そりゃあ、ピッキングニュアンスを大事にしたい方に好かれる訳がありません。
逆にこのコンプ感こそがEMG、ピックアップというか、コンプレッサーと言っても差し支えないのがEMGです。
特にハイゲインサウンドにおいては、そもそもコンプかかりまくりです。
この特性を生かし、強く弾いたときにしっかり歪むくらいのゲインにしておけば、
芯があり埋もれないディストーションサウンドが得られます。
EMGが嫌いな人はこんなサウンドを求めていないのです。
理由③:ハイがキツい
これも好みの問題ですが、確かにトレブルがキツく感じます。
クリーントーンだとさらに顕著です。
しかし低域もくっきりと輪郭があるため、歪ませても高速リフがタイトに決まります。
また、クリーン対策としてはフロントPUに60をチョイスすると良いです。
ミニハムバッカーの特徴を意識した60は、クリーンでも硬くなりすぎず、クリスタルクリーンと呼ばれるようなサウンドメイクも可能です。
このあたりはメタリカのジェイムズのサウンドがイメージしやすいですね。(シグネチャーPUの前は、EMG81と60で使用していました。)
加えてスリップノットのジムルートのギターソロでは、ハイゲインでの60のサウンドが聞けます。
理由④:電池が必要
アクティブピックアップの宿命ですね。
しかしEMGが公表している駆動時間は3,000時間です。
実際私も電池交換した記憶は数回しかありません。
逆にだからこそご自身の使用時間で何ヶ月あるいは何年持つかは経験として一度はかっておきたいポイントです。
また、電池交換が煩雑なのに加え、パッシブから交換しようとすると、バッテリーのスペースも必要になり、最悪加工も必要です。
こればかりはどうしようもありません。
初めから搭載のギターなどを選ぶのもひとつでしょう。
まとめ
以上、EMGが嫌われる理由を考察しました。
理由④はともかく、それ以外はむしろその強烈なキャラクターがEMGならではなのが面白いところです。
JC-120とシングルコイルのギターだけでメタルが出来ないのと同じ様に、全てのギタリストに手放しで受け入れられるギターやアンプは存在しません。
ネットの情報や持論はこの大前提が抜け落ちているがために、論争になっていることも少なくありませんから、情報の選択と解釈には注意したいところです。