TC Electronic Ditto Looperレビュー【BOSS RC-1との違い比較】
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。
・音質には妥協したくない
・様々なコード進行上でアドリブ練習がしたい
という人におすすめのTC Electronic Ditto Looperのレビューです。
初心者のみならず、ギター上級者も満足できるクオリティのルーパーです。
Ditto Looper 特徴
・ミニサイズかつシンプル操作
・電源を切ってもルーパーは保存されたまま
特徴①:アナログドライスルー/トゥルーバイパスで高音質
様々なブランドから発売されているルーパーの中でも、音質は最高クラスと言って良く、原音をピュアに出力します。
高音質の理由はこの3つ
・アナログドライスルー
・24bitの非圧縮オーディオ
トゥルーバイパスはOFF時にも極端なサウンドの変化がありません。
エフェクターを繋いだうえでアンプの手前にDittoを繋いでいれば、トゥルーバイパスのデメリットは排除できます。
アナログドライスルーはTC Electronicのエフェクターでも好評の設計で、エフェクターをONにしてもドライ音はAD/DA変換させず直接アウトプットします。
つまりDitto Looperにおいては、録音したループ上にリアルタイムで演奏している音はデジタル変換されずアナログのまま出力されてます。
ではループ音は劣化しているのかというとそうではなく、録音された音も24bitの非圧縮オーディオのため非常にクリア。
当然、重ね録りしてもサウンドが劣化することはなく、無制限のオーバーダビングを可能としています。
特徴②:ミニサイズかつシンプル操作
そんな超高音質ながら48 x 48 x 93 mmという超ミニサイズ。
操作は1つのノブと1つフットスイッチで行います。
ノブはルーパーの音量を調整します。
コードでバッキング、ソロは単音というときはルーパーの音量は少し下げると良いですし、使いどころは少ないでしょうが、原音より大きくすることも可能ではあります。
フットスイッチで録音の開始、停止、重ね録りの削除などを行います。
長押しは1.5秒以上踏み続ける操作です。
特徴③:電源を切ってもルーパーは保存されたまま
録音したフレーズは電源を落としても本体に保存されたままになります。
例えば前日に作ったバッキングで引き続き練習したり
ライブの前に1ループを仕込んでおいて、録音無しで再生させるということも可能ですね。
デメリット
・機能が少ない
デメリット①:最大録音時間5分
Ditto Looperの使用用途としては不足はないのですが、トラックを保存しておけるミドルクラスのルーパーでは最大録音時間は数時間のものが多く、
それに比べると保存は直前の1つのみで最大5分は短く感じるかもしれません。
しかしマルチエフェクターに搭載されているおまけ程度のルーパーでは30秒などですから、
その都度のパフォーマンスであったり、ブルース進行やスタンダード曲のアドリブの練習には十分な録音時間でしょう。
デメリット②:機能が少ない
こちらもシンプル機能がメリットのDittoにとっては当たり前なのですが、機能は録音のみ。
リバース再生などの特殊なルーパー機能や、何パターンものフレーズを保存しておいたり、外部音源を取り込む、といったことはできません。
USB端子もファームウェアのアップデート専用。
この大きさゆえに電池駆動しない点も注意が必要です。
BOSS RC-1との比較
Tc electronic Ditto Looper | BOSS RC-1 | |
最大録音時間 | 5分 | 12分 |
バイパス | トゥルーバイパス | バッファードバイパス |
インジケータ | LEDランプ | ループインジケーター |
電源 | 9Vセンターマイナスアダプター | 9Vセンターマイナスアダプター or 9V電池(3時間) |
サイズ | 48 x 48 x 93 mm | 73 x 129 x 59mm |
重量 | – | 430g |
市場相場価格 | 9,000円~12,000円前後 | 13,200円 |
シンプルなルーパー、ルーパー入門機種として定番のこの2機種。
音質に関してはBOSSの上位機種に勝るとも劣らないDitto Looper。
この点において似たようなサイズの格安中華製ルーパーとは一線を画します。トゥルーバイパスをうたう機種でも録音フレーズは劣化するためです。
一方RC-1はそれほど悪くないにしろ、バイパス時はもとよりループ音も若干レンジが狭くなったようなBOSS特有のキャラクターになってしまいます。
しかし独自のループインジケーターによるわかりやすさが最大のメリットのRC-1。
ループインジケーターの表示がちょうど1周回るとループが繰り返され、再生は緑、録音は赤で表示されるため、ループの状況が視覚的にわかりやすいのが特徴です。
まとめ
・余計な機能はいらない、シンプルなルーパーが欲しい
・とりあえずエフェクトボードに入れておけるミニサイズが良い
・音質には妥協したくない
・ルーパーの使い方に不安がある
・わかりやすさを最優先
・電池で使いたい
音質とサイズはDittoそのままに、RC-1並みにわかりやすいディスプレイ、長録音時間とメモリー機能も付いたDitto +は、価格が17,000円前後とやや高額ながら両機種の完全上位互換機種です。