現在エフェクター内蔵のスイッチャーはBOSS MS-3しかないけれど、本当に良いのか?
メリット・デメリットから利用者の口コミレビューを参考にしたい。
という疑問に答えます。
私自身、BOSS GT-10をずっと使っていて、その後このBOSS MS-3を導入しました。
そんな私がどのような使い方をしているかも含めて、メリットとデメリットをレビューします。
- 1 BOSS MS-3はマジでおすすめ【レビュー】
- 2 BOSS MS-3のメリットとデメリット【他社品との比較考察】
- 2.1 ●メリット
- 2.2 ● デメリット
- 2.3 メリット①:ボードサイズを最小限にまとめられる
- 2.4 メリット②: 個別で揃えるより安価
- 2.5 メリット③:ディスプレイとボタンで設定が容易
- 2.6 メリット④: 操作がわかりやすい。設定方法の情報が豊富
- 2.7 メリット⑤:アイソレーテッドの大容量パワーサプライで駆動
- 2.8 メリット⑥:多機能
- 2.9 デメリット①:KemperやHelixほどのハイクオリティではない
- 2.10 デメリット②:アンプシミュレータ、USBオーディオインターフェイス非内蔵
- 2.11 デメリット③:ループ内の入れ替えができない
- 2.12 デメリット④:パッチチェンジに若干の音切れがある
- 2.13 デメリット⑤:フットスイッチの間隔が少し狭い
- 2.14 デメリット⑥:内蔵バッファーのON/OFFができない
- 2.15 デメリット⑦:アウトプットの位置
- 3 まとめ
BOSS MS-3はマジでおすすめ【レビュー】
現在唯一のエフェクター内蔵スイッチャー、導入後も大満足です。
10年前くらいからBOSS GT-10とワイヤレスだけを使用していました。
わたしが活動するメインはメタルバンドなので、極上の歪みがあれば良さそうですが、
意外とコーラスやフランジャーを掛けたいタイミングがあったり、クリーントーンにはディレイやリバーブが必要だったり、
サポートでPOPSやアニソンもやったりしたので、1台ですべてカバーできる物が良いということで使っていました。
しかしこれらをボードに入れて、ギターもハードケースでとなると移動だけでもなかなかしんどく
さらにデジタルマルチの歪みサウンドにも限界を感じていました。
もっとコンパクトに、しかしサウンドメイクの守備範囲は狭めたくないと思っていた時に登場したのがMS-3でした。
これは外せないというお気に入りのペダルをループに繋いで、それ以外の空間系やワウ、ボリュームペダルなどはこのMS-3に任せるという使い方ができます。
外部の歪みの前段にノイズゲートを入れ、後段に空間系をかませたパッチから、
空間系エフェクト全部のせのクリスタルクリーンへ、スイッチ1発で切り替えるということが可能です。
主なスペック
・外部エフェクトループ3つ
・6カテゴリ全112種類のエフェクトを搭載 (6種類まで同時使用可能。)
・各フットスイッチのアサイン設定可能
・外部EXPペダルやスイッチ拡張可能
・MIDI端子装備
・チューナー、グローバルEQ、ノイズゲートも搭載
・ディスプレイ搭載で設定もわかりやすい
ひとつずつレビューします。
外部エフェクトループ3つ
私はディストーション、オーバードライブ、空間マルチの3つで使用しています。
MS-3のすごいところは、これらを内蔵エフェクターと任意の順番に パッチ毎に 接続できるところです。
全112種類のエフェクトを搭載
6カテゴリ全112種類のエフェクトを搭載しており、
搭載の6種類に加えて、外部ループを含めれば9種類のエフェクターを同時使用可能です。
GT-1000の下のGT-100(こちらも現行品)クラスのエフェクトを内蔵です。
現在の最上位では無いとは言え、歴代のGTシリーズはLOUDNESSの高崎晃氏やLUNA SEAのSUGIZO氏をはじめ、多くのプロギタリストが現場で使用している、
まさにプロクオリティです。
歪みからダイナミクス系、空間系など、よほど特殊で無い限り、思いつくエフェクタータイプは全部入っています。
例えば、10秒だけ使いたいオクターバーのために、本体を購入したり、そのための電源確保やパッチケーブル、ボードのサイズ・・・etc 余計なコストをかけなくて済みます。
搭載エフェクターの種類一覧
下記BOSS公式サイトのパラメータ・ガイドでは、より詳細な内蔵音色と説明が確認できます。
https://www.boss.info/jp/products/ms-3/support/
CurrentNumber 機能
カレントナンバー機能。これがかなり使えます。
例えば、現在使用しているパッチを押した時に
・特定のエフェクトをON/OFF切り替える
・外部ループをスルーする
・タップテンポとして使う
など好みの設定が可能です。もちろん、パッチ毎にです。
コンパクトサイズでも大型マルチエフェクター並みに、足だけで多彩な音色切り替えが可能となっています。
外部EXPペダルやスイッチ拡張可能
ワウやボリュームペダル用のエクスプレッションペダルは最大2個、
バンク切り替えやアサインに使える外部フットスイッチは最大4個拡張できます。
本体だけでは操作しきれないほど音色が増えてしたっても安心です。
エクスプレッションペダルはリアルタイムで内蔵エフェクトのパラメータを操作できるので
ピッチシフター と組み合わせればワーミーも再現できます。
MIDI端子装備
外部のエフェクターへプログラムチェンジなどを送信できます。
わたしはEventide H9と接続しており、Shimmerやタッチワウなどのパッチを呼び出す際に使用しています。
チューナー、グローバルEQ、ノイズゲートも搭載
ハイゲインを多用する私にはうれしいノイズゲートも搭載。
接続するギターによってグローバルEQで整えたり、
ディスプレイを使用した視認性の高いチューナーまでフットスイッチで呼び出せます。
このチューナーモードはミュートとしても機能します。
BOSS MS-3のメリットとデメリット【他社品との比較考察】
そもそもエフェクター内蔵スイッチャーに対抗馬は無いのですが、
その他のプログラマブルスイッチャーやマルチエフェクターとの比較も織り交ぜつつ、メリット・デメリットもぶっちゃけます。
●メリット
・個別で揃えるより安価
・ディスプレイとボタンで設定が容易
・使用者が多いので設定方法の情報が豊富
・アイソレーテッドの大容量パワーサプライで駆動
・操作がわかりやすい
・多機能
● デメリット
・アンプシミュレータ非内蔵
・ループ内の入れ替えができない
・パッチチェンジに若干の音切れがある
・フットスイッチの間隔が少し狭い
・内蔵バッファーのON/OFFができない
・アウトプットの位置
メリット①:ボードサイズを最小限にまとめられる
マルチエフェクター並みの音色数を
コンパクトエフェクターと、通常のスイッチャーだけで対応しようとするととんでもない大きさになります。
加えて重くもなるので、持ち運びも大変です。
その点、MS-3はボードをある程度のサイズにとどめながらも、マルチエフェクター以上の音色のバリエーションが得られます。
メリット②: 個別で揃えるより安価
コンパクトのみのエフェクターボードはコストも高くつきます。
ひとつエフェクターを加えるだけでも、本体価格に加えて、接続のパッチケーブル2本とパワーサプライでもDCケーブルが必要です。
パッチケーブルを妥協すると音質も悪くなりますし、それなりの物を選ぶと2本で数千円は飛んでいきます。
メリット③:ディスプレイとボタンで設定が容易
ここもかなりポイント高いです!
GTシリーズなどで複雑なマルチエフェクターを開発してきたBOSSだからこその点で
設定方法が抜群にわかりやすいです。
Free The Toneなどスイッチャーとしてはプロ仕様でも、MIDIなどまで絡むとこの辺の設定は説明書無しではできません。
メリット④: 操作がわかりやすい。設定方法の情報が豊富
とは言え、今までマルチエフェクターやプログラマブルスイッチャーを使ったことが無い方は不安かもしれません。
しかし、発売当初からベストセラーとなったMS-3は使用者が多く、ネットで検索したり、YouTubeで検索するとたくさん情報が出てきます。
動画を見るだけでも、こんな使い方があったのか!と新しい発見もあるかもしれません。
公式YouTubeでは動画でわかりやすく解説もされています。
メリット⑤:アイソレーテッドの大容量パワーサプライで駆動
これもボート縮小化に一役買っています。
カタログスペックで 消費電流がたったの280mAです。
昨今のパワーサプライなら500mAの端子も珍しくないですから、余裕で駆動します。
ただしBOSS MS-3はデジタル機器になるので、アイソレートされたパワーサプライを使用してください。
メリット⑥:多機能
・多彩なエフェクター
・MIDI入出力
・外部コントロールによる拡張
・CurrentNumber機能など
まるで高級マルチエフェクターのような機能を備えています。
購入前に取り扱い説明書を確認してみてください。
下記BOSS公式サイトで公開されています。
特にアプリケーションガイドはやりたい機能を探すのに便利です。
https://www.boss.info/jp/products/ms-3/support/
また細かな機能のQ&Aも豊富です。
http://faq-jp.roland.com/category/show/9681?site_domain=default
デメリット①:KemperやHelixほどのハイクオリティではない
内蔵のDSPも異なりますし、この価格差ですから当然です。
ただし前述のようにGTシリーズもプロが現場で使えるレベルです。
実際にライブをしている中で、どれほどの人がその違いが聞き分けられるでしょうか?
とは言え、スタンダードを揃えたエフェクト群なので、シューゲイザー的なかなり振り切った使い方だと物足りないかもしれません。
デメリット②:アンプシミュレータ、USBオーディオインターフェイス非内蔵
これは製品コンセプトがあくまでもスイッチャーだからでしょうが、
GTシリーズには内蔵されているアンプモデリングは収録されていません。
ライン出力は想定されていないため、そのままレコーディングとなると間になにかかませる必要があります。
同様の理由から昨今のマルチエフェクターでは当たり前の、USBオーディオインターフェイスとしては機能しません。
デメリット③:ループ内の入れ替えができない
基本的にエフェクトの接続順の入れ替えは可能ですが、3つの外部ループ内では接続順を入れ替えることはできません。
例えばループ1にオーバードライブ、ループ2にディストーションを繋いだ場合、
あるパッチではゲインブーストとして、オーバードライブを前段に、
別のパッチではレベルを上げるために、オーバードライブを後段にということはできません。
そのあたりは内蔵エフェクトで工夫しなければなりません。
デメリット④:パッチチェンジに若干の音切れがある
一般的なマルチエフェクター同様、音を出しながらパッチを切り替えると音の途切れが認識できます。
バンド内で使用している分には、セクションでの切り替えなどでは気になりません。
音を出しながらエフェクトを加えたいという場合は、カレントナンバー機能を使用すれば音切れは起きません。
デメリット⑤:フットスイッチの間隔が少し狭い
同時押しの機能もあるためか、フットスイッチの間隔が少し狭いです。
履いている靴や、足の大きさによっては踏み間違えるケースがあります。
体験談としては、ライブ中にパッチを切り替えるつもりが、同時押しでバンクチェンジになってしまい焦った経験はありますので、注意が必要です。
デメリット⑥:内蔵バッファーのON/OFFができない
基本的にはどのエフェクターの組み合わせでも、同じインピーダンスで出力されるので安定したサウンドに貢献しているのですが、
こだわりのバッファーを通したいという方には不便です。
デメリット⑦:アウトプットの位置
アウトプット端子の位置が本体真ん中あたりにあり、セッティングの際に抜き挿しするのが厄介です。
わたしはジャンクションボックスを使うことで解消しています。
ジャンクションボックスは、セッティングの手間を省き、直接のプラグの抜き挿しをしないことで、ケーブル周りの様々なトラブルを避けることができます。
むしろ積極的に導入すべきです。
まとめ
メリットの数以上に、あえて指摘されるデメリットを多めに上げてみましたが、対処できるものも少なくありません。
BOSS MS-3はこんな人におすすめです。
・エフェクトボードをコンパクトにまとめたい
・メインの歪みなどこだわりのエフェクターは使用したい
・幅広い音色を使いたい
・小さいマルチだと足での音色切り替えが不便