6弦のSE Mark Holcombと7弦のSE Mark Holcomb SVNは
ネックのスケールやルックスを除いては、共通の特徴を備えていますので、
どちらのモデルの参考になるかと存じます。
PRS SE Mark Holcomb 仕様・特徴
ジェント、プログレッシブメタルバンドPeriphery(ペリフェリー)のギタリストMark Holcomb(マーク・ホルコム) のシグネチャーモデル。
PRSの中では異色でありながら多くのラウド/ジェント/メタルギタリストが求める
スペック有しており、シグネチャーモデルとは言えファン以外にも強くおすすめできるギターです。
主な仕様はこちら
6弦モデル SE Mark Holcomb 仕様
BODY
https://www.prsguitars.jp/se-mark-holcomb より引用
Top : WoodBeveled Maple with Quilted Maple Veneer
Back : WoodMahogany
NECK
Number of Frets : 24
Scale Length : 25.5″
Neck Wood : 3-Piece Maple with Satin Finish
Neck Shape : Wide Thin
Neck Depth At The Nut : 25/32″
Width of Fretboard at the Body : 2 1/4″
Width of Fretboard at the Nut : 1 11/16″
Fretboard Wood : Ebony with White Binding
Fretboard Inlay : Birds
HARDWARE
Bridge : Plate Style (String-Through)
Tuners : PRS-Designed Tuners
Hardware Type : Black Chrome
ELECTRONICS
Treble Pickup : Mark Holcomb Signature Seymour Duncan “Omega”
Bass Pickup : Mark Holcomb Signature Seymour Duncan “Alpha”
Controls : Volume and Push/Pull Tone Controls with 3-Way Blade Pickup Switch
Strings : 10-52
Strings : Ships Tuned to Drop C. Low to High: C, G, C, F, A, D.
7弦モデル SE Mark Holcomb SVN 仕様
BODY
https://www.prsguitars.jp/se-mark-holcomb-svn より引用
Top Wood : Beveled Maple Top w/ Quilted Maple or Walnut Veneer
Back Wood : Mahogany
NECK
Number of Frets : 24
Scale Length : 26.5″
Neck Wood : Maple w/ Satin Finish
Neck Shape : Wide Thin
Fretboard Wood : Bound Ebony
Fretboard Inlay : Birds
Fretboard Radius : 20″
HARDWARE
Bridge : Plate Style Bridge (String Through)
Tuners : PRS-Designed tuners
Hardware Type : Black
ELECTRONICS
Treble Pickup : Holcomb Sig Seymour Duncan “Alpha”
Bass Pickup : Holcomb Sig Seymour Duncan “Omega”
Controls : Volume & Push/Pull Tone Control w/ 3-Way Blade Pickup Switch
Strings : 10, 13, 17, 30, 42, 52, 64
Included Accessories : Gig Bag
PRS SE Mark Holcomb サウンド
6弦のサウンドレビュー
7弦のサウンドレビュー
本人の演奏はマスタリングされているとはいえ、CDクオリティの音像です。
通常のPRSとはことなり、トレモロアームが無いハードテイルブリッジを搭載。
ゲインを上げてもスプリングの共振が無いため、細かく音を切るようなリフもタイトに刻むことができます。
メイプル+マホガニーボディによる音の厚みと、サウンドの輪郭が際立つメイプルネック+エボニー指板、
なによりそれらをSeymour Duncan(セイモア・ダンカン)製のシグネチャーピックアックAlpha(アルファ)と Omega(オメガ)からアウトプットすることで
モダンメタルサウンドを体現します。
ギター単体でサウンドがかなり作り込まれているので、
サウンドメイクも悩まず楽にモダンハイゲインが作れます。
Omega(リアピックアップ)
Magnet: Ceramic
EQ : Bass:4 Middle:4 Treble:8
D.C.Resistance Bridge: 12.96k
サウンドの要となるリアピックアップ。データ上からもトレブルがしっかり出るように設計されています。
ダウンチューニングや7弦のローBといった超低音での使用が想定されているため、低い音域でも曇らずエッジの効いたサウンドが出ます。
重低音の音圧感は控えめながらもローミッドはしっかり出てくるので、線が細く感じたり、耳に痛いということはありません。
その分歪ませての低音弦での細かいリフもタイトに刻め、複雑で速いリックも明瞭です。
Alpha(フロントピックアップ)
Magnet: Ceramic
EQ : Bass:5 Middle:4 Treble:9
D.C.ResistanceNeck: 8.02k
フロントもトレブル成分がキーになっていますが、こちらもとにかく明るいという感じではなく
フロントならではの太さに明瞭さを加えたようなリードサウンドでも理想的なトーンです。
フルピッキングでのファットなアタック感でも、滑らかなレガートでも、くっきりと再生されます。
またこれらのピックアップはセットで使われること前提に設計されています。
ミックスポジションではハムバッカーにもかかわらず、シングルコイルのハーフトーンに通ずる倍音感が広がります。
トーンつまみをひっぱれば疑似シングルコイルとなるコイルタップとなり、
ガラスが弾けるようなグラッシーなトーンが最高です。
PRS SE Mark Holcomb 演奏性
テンポが速く、譜割の細かいテクニカルな演奏を妨げない高い演奏性を誇ります。
まずネック裏は艶のないサテン仕上げになっています。
艶のあるグロス仕上げではグリップ感が強い分、左手の、特に横移動のにひっかかりを感じてしまいますが、
サラッとしたサテン仕上げを採用することで、低音弦の刻みとメロディのリックを行き来するテクニカルなフレーズをサポート。
指板ラディアスは20インチ。
アイバニーズなどの16インチよりもさらに平面で、
指板を広く使うリードフレーズやテンションノートを絡めたコードワークなど
クラシカルフォームでの演奏性を強く意識したスペックです。
弦高を低めに調整することができるのも利点です。
PRS SE Mark Holcomb メリット
●ダウンチューニング対応
メリット①:コスパが高い
6弦モデルで実売10万円前後、
7弦モデルのSVNで実売13万円前後です。
Mark Holcombのシグネチャーピックアップは完成度の高さもさることながら、
価格もダンカンピックアップの中ではトップクラス。
6弦モデルで1発29,000円、7弦モデルで32,000円(メーカー希望小売価格)。
つまり搭載されているピックアップの金額だけで6万円前後、
ギターの金額の半分を占めています。
通常の6弦のSE Custom24で8万円前後であることを考慮するだけでも
他のSEのモデルよりも割安な感じがします。
メリット②:ダウンチューニングに対応
スケールが長いため通常より低い音も音程が安定します。
6弦モデルはセットネック構造では少数派の648mmのロングスケールを採用。
出荷時は10-52ゲージの弦で、ドロップCチューニングにセッティングされています。
ナット溝は10-46でも問題なく使えるのでレギュラーチューニングにも対応可能。
7弦モデルSVNは26.5″(673mm)で7弦の低音のピッチ感も安定します。
PRS SE Mark Holcomb デメリット
PRSらしさが足りない
PRSと言えば一時期GibsonとFenderの良いとこ取りとも言われ、
ジャンルを問わず様々なジャンルに対応できるギターとして人気です。
しかし本機は美しいクリーンとアグレッシブなディストーションという、
モダンなサウンドとしては最適ですが、それのみです。
従来のPRSのバーサタイルなイメージを求めるべきではありません。
まとめ
ハイゲインは言わずもがな、対照的な美しいクリーン~クランチのトーンを兼ね備えた稀有なギターです。
しかも10万円前後という価格でこれらを実現しているのが素晴らしい。
メタルやラウドロックが好きな方、ダウンチューニング用の専用機、
7弦ギターの導入機としておすすめです。