結論、KEMPER Kabinetは パワーアンプ内蔵Profiler をスピーカーから鳴らしたいという方にはベストなキャビネットです。
Kemper Kabinet 特徴
●Kemper Kabinet特徴
●Kemperのプロフィリングに最適化された専用キャビネット
●19種類のスピーカーImprints
●微調整コントロール
●KEMPER以外のキャビネットとしても有効
●大音量対応も軽量・コンパクト
特徴①:Kemperのプロフィリングに最適化された専用キャビネット
Kabinetの中には Celestion と共同開発した12インチフルレンジスピーカー KEMPER KONE を搭載しています。
フラットなスピーカーでもギターらしいサウンドが得られるKEMPERのプロファイリングを
KEMPER Kabinetはフルレンジスピーカーとしてリグの内容を忠実に反映したサウンドとしてはもちろん、
巷にあるギター用キャビネットの特徴を再現すること、どちらの使い方としても対応できます。
後者のギターキャビネットの特性を生かすためにはプロファイリングのキャビネットシミュレータをoffにすることで、
KEMPER Kone のスピーカー・インプリントの効果が発揮されリアルなギターアンプサウンドが得られます。
特徴②:19種類のスピーカーImprints
KEMPER Kabinetは Imprints という 19種類のギタースピーカーを再現できます。
・Celestion Blue Bulldog Alnico
・Celestion G12M “Green Back”
・Celestion G12H (Orange® OEM)
・Celestion G12H 30W
・Celestion G12-100
・Celestion V30
・Celestion G12M-65 “Creamback”
・Celestion G12T-75
・Jensen P12R
・Jensen P12Q
・Jensen C12N Ceramic
・Jensen Vintage P10R8 10″
・Jensen Vintage C10R 10″
・Electro Voice EVM12L BlackLabel Zakk Wylde Signature
・Goodmans Audiom 61
・Oxford 12L6
・MFD Eminence Legend 125 50W
・JBL D120F
・JBL 2110 8″
特徴③:微調整コントロール
KEMPER Kabietはあくまでもパッシブスピーカーです。
しかしKEMPER Profier 側で19種類のスピーカーを選択したり、用途や環境での調整も可能なパラメータをコントロールします。
Bass Boost
KEMPER Koneは、床に置いた状態で最適なサウンドになるように設計されています。
アンプスタンドに置いたり、床から持ち上げた状態にすると、低音域のパワーが無くなったように感じらた際には
ベース・ブーストをonにすることで、低音域が 3dB ブーストされます。
Sweetening
ケンパー・コーンをフルレンジ・モードで使用すると非常にリニアに発音します。オーディオとしては忠実な再生になりますが、デジタル・ギターアンプ用の高品位なモニタースピーカーでは、多くの場合ローエンドやハイエンドを強調する ことで耳に負担をかけずに高域と低域のラウドネスを増してバランスが整えられています。
korg-kid.jpより引用
スウィートニングはこれを再現するコントロールで、全体の音量をほとんど変えずにローエンドとハイエンドを最大6dBブーストします。
Directivity
多くのギター・スピーカーは高音域の指向性が強く、スピーカーの正面からはずれるほど柔らかなサウンドに聞こえま す。それに対し KEMPER Kone は、高音域も広く拡散するため、どのポジションでも正面と同じようなはっきりとしたサウンドに聞こえます。
korg-kid.jpより引用
ディレクティビティを上げるとサウンドはクリーミーに、最大値にすると実際のギター・スピーカーと同じ指向性が再現されます。
特徴④:KEMPER以外のキャビネットとしても有効
基本的にはKEMPER Profier のために開発されたものですが、
ソリッドステートのパワーアンプであれば、高品質なフルレンジパッシブスピーカーとしても有効です。
例えば実際に試したのですが、Hughes & Kettner のBlack Sprit との組み合わせはチューブアンプとのそん色ないサウンドになりました。
一方、真空管パワーアンプと組み合わせると最適な周波数特性が得られず、極度に甘い音色なる恐れがあります。
特徴⑤:大音量対応も軽量・コンパクト
12インチスピーカー1発のキャビネットなので、持ち運びも苦じゃないサイズと重量です。
42 x51 x 23 cm
11.3kg
最大200Wでラウドなドラムがいるようなバンドでも難なく対応できます。
Kemper Kabinet デメリット
●ラインナップは12インチスピーカー1発のみ
●マイキングに不向き
デメリット①:パワーアンプ必須
かなり特殊なスピーカーキャビネットですが、もの自体はパッシブスピーカーです。
ベストなセットはパワーアンプ付きのKEMPER Profierです。
パワーアンプ非搭載のProfier や Stage ではモニターアウトの出力から別途トランジスタのパワーアンプで増幅して接続する必要があります。
デメリット②:ラインナップは12インチスピーカー1発のみ
メリットでも挙げたとおり出力は十分なのですが、
見た目や音圧から、スタックアンプのように4発で鳴らしたいという方もいるようです。
今後、内蔵のKEMPER Kone 単体での販売もされるようで、
1×12、2×12 や 4×12 など、好きなキャビネットに入れて自分で作ってくれ!というのがKEMPERからの回答です。
たしかにキャビネットの素材や作りでもサウンドは変わってきますが、よっぽどシビアな性格でなければKabinetで良いと思います。
デメリット③:マイキングに不向き
KEMPER Koneスピーカーは特別な仕様のため、近い位置でのマイキングには向いていないとのことです。
レコーディングはケンパーの特性上、ラインでキャビの響きまでプロファイリングしてありますから問題ないでしょうが、
ライブでのマイキングにはPAさんとの相談が必要かもしれません。
たとえばモニターとしてKabinetを鳴らし、PAへはライン出力で送るなど。
Kemper Kabinet マニュアル
Kemperのマニュアルは本国サイト、または輸入代理店KIDのページからダウンロードできます。
Kabinetのマニュアル単体ではなく、プロファイラー・メインマニュアルの中に記載があるので、わたしも最初はどこにあるかわかりませんでした。
まとめ
当初ケンパーはキャビネットを販売しないと言っていましたが、
ニーズが多かったからか、ケンパーの推奨からかけ離れたスピーカーが使用され評価が落ちることを懸念してか、
待望の純正キャビネットが発売となりました。
確かに安めのPAスピーカーなんかで鳴らすとデジタル臭さが際立ったり、
パワーアンプ内蔵のものをギターキャビで鳴らしても、
そのキャビの素材や造り、スピーカーの特性で良くも悪くも音が変わってしまいます。
例えば Fender クリーンから Diezel のモダンハイゲインに切り替えるといった使い方をする場合は、
従来のキャビではどちらかのサウンドを多少犠牲にしなければなりませんでした。
しかしKabinetを使うことで、IMPRINTSでそれぞれに合ったスピーカーを選択したリグを保存しておけば、
どちらも満足のいくサウンドが手に入るようになりました。
ケンパーをスピーカーから鳴らしたいという方には間違いなくベストなキャビネットです。