BOSS WAZA-AIR BASS レビュー【VOX VGH-BASS違い比較】
現役楽器屋店員のyosh(@yoshguitarblog)です。ギター版は既に発売され私も愛用しているBOSS WAZA-AIRのベース版が発売されます。
・何にも邪魔されず演奏に没頭したい
・これまでに無いほどの快適すぎる練習環境が欲しい
という人におすすめの本機を最速レビューします。
BOSS WAZA-AIR BASS特徴
5種類のアンプと30種類のエフェクト
リズムパターン内蔵
特徴①:オールワイヤレス環境
・ベースワイヤレス
・Bluetoothオーディオ
・ワイヤレスコントロール
①:ベースワイヤレス
WAZA-AIR BASSが唯一無二である特徴が、オールワイヤレスでベースの練習できるということです。
ベース本体にBOSSのワイヤレス送信機WL-Tを挿すだけで、ヘッドフォンであるWAZA-AIR BASSから本格ベースサウンドが体感できます。
市販のBluetoothヘッドフォンでは不可能であるレイテンシ(音の遅れ)皆無な楽器用ヘッドフォンは、現状WAZA-AIRしかありません。
②:Bluetoothオーディオ
WAZA-AIR BASSはiPhone等のスマートフォンなどとBluetoothにて無線接続が可能、つまりBluetoothワイヤレスヘッドフォンとしても機能します。
スマホ内蔵の音源やYouTubeなどを再生しながら、ベースを演奏することができます。
好きな曲を鳴らしてコピーしたり、YouTubeなどに上がっているカラオケ音源などでジャムセッションの練習が可能。
③:ワイヤレスコントロール
スマートフォンとのBluetooth接続はオーディオだけではありません。
iOS/Androidともに対応する専用アプリの BOSS TONE STUDIO を使うことで、EQのコントロールやアンプモデリングの切替、エフェクトの調整が行えます。
細かなセッティングが可能な一方、毎回アプリを立ち上げてのコントロールが面倒なケースもありますが、
WAZA-AIR BASS本体には6個の保存した音色を切り替えるスイッチと、ボリュームのつまみがあり好みサウンドが出来上がったら本体のみの操作でも問題ありません。
また別売りのペダルEV-1-WLを使用することで、演奏中にリアルタイムに音色を切り替えることも可能。
特徴②:5種類のアンプと30種類のエフェクト
アンプタイプは「SUPER FLAT」「FLAT」「VINTAGE」「MODERN」「DRIVE」の全5種類を内蔵。ゲイン、ボリューム、ベース、ミドル、トレブルの調整が可能であらゆるジャンルに対応できます。
ヘッドフォンでの使用が前提ですからライン臭くない、音の広がりなど音場も再現されているため、心地よいサウンドに仕上げています。
専用のヘッドフォンのためベースに大事な低音もしっかり再生されますし、多弦ベースにも対応します。
エフェクトはコンプレッサー、オーバー ドライブ、EQ、タッチ・ワウはもちろん、 モジュレーションや空間系、オクターブ、 ベースシンセ、リングモジュレーターなど30種類を内蔵。
特徴③:リズムパターン内蔵
ギター版のWAZA-AIRには搭載されていない新機能。
32 種類のメトロノーム ・ パターンと 10 種類のアコースティック ・ ドラム ・ グルーヴを内蔵しており、
BPMとリバーブの調整に加え、5/4 や 7/4 のような 3 拍子を含む 32 のバリエーショ ンを揃えたメトロノームも搭載。
アプリ内にこれらの設定を6個保存することができます。
動画
デメリット
・同時に充電ができない
デメリット①:ジャイロセンサー
わたしはギター版のWAZA-AIRを愛用していますが、このジャイロ機能は全く使っていません。
例えば目の前にアンプがあることを想定し、頭を左に向ければ右耳の音量が、右を向けば左耳の音量が上がるといった具合です。
全て無線で、密閉型(クローズド)ヘッドフォンだからこそ、何にも邪魔さずに演奏に没入できるのがメリットなのに、
フィンガリングやピッキングを意識するために視線を変えると、音の聞こえ方が変わるのは邪魔でしかありませんでした。
この機能はoffにできるので問題ありませんが、購入前の期待は完全に打ち砕かれました(笑)。
デメリット②:同時に充電ができない
WAZA-AIR本体に無線機を挿入するプラグがありますがこれはペアリングをするためのもので、ここに挿しても充電はされません。
ヘッドフォン、ワイヤレス送信機それぞれを充電ケーブルに接続する必要があるのは少し面倒ではあります。
駆動時間は本体が約5時間、送信機が約12時間と長いのでわたしは日替わりで充電することで対処しています。
もうひとつ残念なのはMicro USBケーブルだということ。今ならType-Cの方が使いやすいのにという気持ちです。
VOX VGH-BASSとの違い比較
BOSS WAZA-AIR BASS | VOX VGH-BASS | |
アンプ数 | 5種類 | 1種類 |
音色調整 | ゲイン、ボリューム、3バンドEQ | ゲイン、ボリューム、1トーン |
エフェクト数 | 30種類 | コンプレッサー1種類のみ |
外部音源 | Bluetooth無線接続 | Aux In有線接続 |
アプリ | 専用アプリ | なし |
ケーブル | ワイヤレス | 1.6m |
電源 | 内蔵充電バッテリー | 単4電池2本 |
駆動時間 | 本体:約5時間 送信機:約12時間 | マンガン:約8時間 アルカリ:約20時間 |
重量 | 320g | 230g |
市場相場価格 | 49,500円 | 8,000円~11,000円前後 |
VOX VGH-BASSはamPlug2とオーディオテクニカ製ヘッドフォンを一体化したようなヘッドフォンアンプです。
価格差が完全に性能差に表れています。その差は特に快適性に表れます。
オールワイヤレスのWAZA-AIRに対し、VOX VGHは外部音源もつなげると、ヘッドフォンから2本もケーブルが出ることになって演奏中のストレスにもなりそうです。
また音色についても1音色のみかつTONEコントールのみという、音作りというよりは音色補正程度のサウンドメイクのため、例えば70s Funkスタイルのスラップサウンドや、モダンメタルサウンドなどのようなサウンドは期待できません。
他のヘッドフォンアンプに比べるとやや割高感が否めないWAZA-AIR BASSですが、多機能小型アンプなどとも比較すればいたずらに高価なわけではなく、
自宅練習用で何年も使い倒す、という発想であれば良い選択だと判断できます。
BOSS WAZA-AIR BASSがおすすめな人
・すべてのケーブルのわずらわしさから解放される、最強のワイヤレス環境で練習に没頭したい
・弾こうと思ってから数秒で音が出せる環境がほしい
・トラッドからモダンなサウンドまで様々な音を使い分けたい
VOX VGH-BASSがおすすめな人
・ヘッドフォンを挿すだけの手軽な練習環境がほしい
・WAZA-AIR は高くて手が出ない
・標準的な音だけ出れば良い