HX Stomp XL違いレビュー【Stomp/Helix LT/POD Go比較】

現役楽器屋店員のYosh(@yoshguitarblog)が、HX Stomp と、HX Stomp XL、POD Goの違い比較と選び方を紹介します。

HX Stompとの違いはフットスイッチ数のみ

フットスイッチが3個から8個に増えました。

内部の機能や、(場所の違いはあれど)接続端子は従来のHX Stompと同様

主な機能は

・フラッグシップモデルHelixと同じサウンドアルゴリズム

・300種以上のアンプ/エフェクト群

・サードパーティIR対応

・最大8エフェクト同時使用可能(HX Stompもアップデートにより6から8エフェクトに増えています)

・USBオーディオインターフェイス機能

・チューナー搭載、ヘッドフォン対応等etc

海外フォーラムでの開発者のコメントでは電源もHX Stompで動作するパワーサプライならHX Stomp XLでも使用可能とのことです。

マスターボリュームは 音質向上のために使わないため、側面に移動になったのも個人的には〇。

レビューは従来版のHX Stompの記事をご覧ください。

8個のフットスイッチの操作性

フットスイッチでの操作は抜群に向上しました。

4つのフットスイッチモードは、[MODE]フットスイッチで切替します。

こちらの動画の2:50から紹介されています。

Stompフットスイッチモード

line6.jpより引用

パッチ内のエフェクトそれぞれをon/offできます。

6エフェクトのon/offをする6-Switchオプションと、

4エフェクトのon/offと左端の上下スイッチで

「[Bank-Preset-Snapshot]のいずれか任意に設定して」切替ができる4-Switchオプションが選択可能。

※上下スイッチ同時押しで一時的にスナップショットの選択に変更可能。

Presetフットスイッチモード

1バンク内の4つのプリセットを切替します。

左端の上下スイッチでバンクを選択できます。

※上下スイッチ同時押しで一時的にスナップショットの選択に変更可能。

Snapshotフットスイッチモード

1つのプリセットでの4つのスナップショットを切替します。

左端の上下スイッチでバンクを選択できます。

スナップショットモードは組み上げたペダルボードをスイッチャーで切り替えるようなイメージです。

エフェクトのon/offに加え、各パラメータも1回の切替で変更可能です。

プリセットモードとの違いは

・切替時に音切れしない

・使用しているエフェクトモデルの変更はできない

点です。

使用するエフェクトの種類が8エフェクト以下の場合はスナップショットモードがベストでしょう。

1曲内でガラッとエフェクトやアンプを変えたい場合は若干の音切れがありますが、プリセットモードが良いです。

ペダルエディットモード

HelixにはあってHX Stompには無かった便利モード。MODEペダルを1秒以上長押しでモードに切り替わります。

エフェクトをひとつ選択し、各パラメータをフットスイッチで調整できます。

ギターを弾きながらパラメータを変更できるので音作りに最適なモードと言えます。

POD Go、Helix LTとの違いと選び方

HX Stomp XLHX StompHelix LTPOD Go
サイズ(mm)68 x 316 x 12066 x 178 x 12692 x 530 x 30188 x 230 x 359
重量 1.5kg 0.79kg 5.4kg 2.5kg
フットスイッチ 8312 6
EXPペダル 無し(外部接続可) 無し(外部接続可) あり あり
最大同時使用エフェクト数 8 8 32 10(一部固定)
スナップショット 43 8 4
ルーパー 60秒 モノ/30秒 ステレオ 60秒 モノ/30秒 ステレオ 60秒 モノ/30秒 ステレオ 40秒 モノ/20秒 ステレオ
HX Edit ×(POD Go Edit)
市場相場価格 108,900円〜129,800円前後103,400円前後192,500円前後80,300円前後

HX Stomp XLの特徴

HX Stompの弱点であるフットスイッチの数を解決しています。

センドリターン端子もありますが、1ループ(ステレオ)のみ。ループが増えるともっと良かったのですが。

ワウなどを使いたい場合はエクスプレッションペダルの追加が必要ですが、

フットスイッチの増設は必要なくなったので端子が足りないという心配もありません。

さらにペダルボードに組み込めるサイズには落とし込まれています。

またこのフットスイッチ数のおかげで、KemperなどとMIDIケーブルで接続することで、エフェクター+コントローラーとしても活用できます。

まとめるとこんな人におすすめです。

・最高クラスの音と必要十分なフットスイッチ操作を、可能な限り小さいサイズでまとめたい

・パッチを共有しHelixのサブ機として使う

・アンプ型デジタルマルチプロセッサーのエフェクター+コントローラーとして使用する

HX Stompの特徴

line6_hxstomp

フットスイッチ3個しかないデメリットは、

この音質と音色数を搭載しながらこのサイズに落とし込んである最大のメリットを生かすためのものです。

HX Stompがベストセラーになった理由はこのサイズにあります。

しかし、売れすぎたが故に噴出したフットスイッチの少なさの不満を解決するために、HX Stomp XLが開発されたのでしょう。

こんな人におすすめです。

・あらゆるエフェクトをHX Stomp1台でまかなう

・エフェクトボードに組み込みMIDI対応スイッチャーで操作する

・極小サイズでボードサイズを小さくor持ち運びを便利にしたい

Helix LTの特徴

フラッグシップモデルHelixのプロクラスの機能のみを削ぎ落した廉価版。

とはいえDSP1つのみ搭載のHX StompおよびXLに対し、

Helix LTはDSPを2つ搭載することで、処理能力が高く最大同時ブロック数をはじめとする様々な制限から解放されています。

こんな人におすすめ

・1台で全て完結orコンパクトエフェクター1,2台程度

・同時エフェクト数を9種類以上使用する

・Stompモードなどフットスイッチが多数必要

POD Goの特徴

line6_podgo

一番安くてエクスプレッションペダルも付いている1台完結型。

しかしサウンドメイクにおいては一番制約があります。

また他の機種がHX Editでパッチの共有が可能ですが、PODGoには互換性がありません。

加えてアップデートによるエフェクトの追加が無さそうです。

ただ制約があるということは裏返せば、普通の音作りには十分な性能で音作りが面倒くさい人、自信がない人にとってはプラスだと思います。

まだ本格的なマルチエフェクターもUSBオーディオインターフェイスも持っていなければ、

両方を一緒に買ったと思えば安いかなと思います。

こんな人におすすめです。

・これ以上高価なものは手が出ない

・1台で音作りとワウを含めた操作を完結させたい

・ライブもUSBインターフェイスでの録音もこれからはじめたい

詳細レビュー記事はこちら。

まとめ

わたしはHX Stompを使っており、歪みエフェクター1個をセンドリターンでつなぎとにかく軽量にボードを仕上げたので買い替えはしませんが、

もしHX Stomp XLが最初からあれば歪みはHXで詰めまくってこれ1台+EXPペダルで完結させていたかもしれません。

フットスイッチ3個でやりくりできるように工夫したのですが、8個のスイッチの操作性はかなり魅力的、

それでいてフラッグシップクオリティでこのサイズのエフェクターは他社にも無いので良い製品だと思います。

またこれが出たことでLINE 6も当分の間はHelix 2的なものは出さないと期待したいところですが、実際2023年4月時点でHXシリーズのソフトウェアアップデートがありましたので、まだまだ大丈夫そうです。

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